
前にドローンは「リスクもある」って言ってたわよね

どんなリスクがあるの?

一番怖いのは墜落かな…

機械だから故障することもあるし、操縦ミスもあるし…人に当たったら大怪我するよ

空から落ちてくるものって、どんなに軽くても危険よね~

他には?

プライバシーの問題もあるよ

高性能なカメラが付いてるから、勝手に撮影されたりとか…

あと、飛行機との衝突も心配されてるね

飛行機と衝突?!そんなことあるの?

空港近くで飛ばしたりすると危険なんだって

小さなドローンでも、飛行機のエンジンに吸い込まれたら大変なことになるから…

想像しただけで怖い…

だから色々な規制があるのね!

そう!前にも言ったけど、「航空法」っていう法律があって…

えーっと、150m以上の高度では飛ばしちゃダメとか、空港周辺は禁止とか…

150m?けっこう高いところまで飛ばせるのね

でも、それ以上は絶対ダメなの?

許可を取れば飛ばせるんだけど…

手続きが複雑で、ボクもまだよく分からないんだ

国土交通省に申請するんだったかな…

また「よく分からない」!

資格持ってるのに大丈夫?

他にはどんな規制があるの?

夜間飛行も基本的にはダメだし、人や建物から30m以上離れないといけないとか…

あと、目視外飛行っていうのも…

目視外飛行?

ドローン見ないで飛ばすことだよ

基本的には目で見ながらしか飛ばしちゃダメなんだ、安全のために

なるほど、当たり前と言えば当たり前ね

あと、人口集中地区?って聞いたことがあるんだけど。

「DID地区」って呼ばれてるやつだね

人がたくさん住んでるエリアでは、許可なしで飛ばしちゃダメなんだよ。

DID?

えーっと…「Densely Inhabited District」だったかな…

人口密集地域って意味だよ、たぶん…

また「たぶん」って

でも、都市部ではほとんど飛ばせないってことね?

許可を取れば飛ばせるけど、手続きが面倒で…

あ、100g未満のトイドローンなら航空法の規制は受けないよ

あ、そうだった!

でも、小さくても完全に自由じゃないのよね?

そう!「小型無人機等飛行禁止法」っていうのがあって、皇居とか国会議事堂とか、重要な施設の周辺では大きさに関係なく飛ばせないんだ。

当然よね、テロとかに使われたら大変だもの

他にも禁止区域ってあるの?

空港はもちろん、自衛隊の基地とか、原発の周辺とか…

あと、イベント会場なんかも一時的に禁止になったりするよ

けっこう厳しいのね

じゃあ、どこなら自由に飛ばせるの?

山奥とか海の上とか…人がいない場所かな

でも最近は「ドローン練習場」みたいな施設もできてるから、そういうところが安心だね

練習場があるのね!

ところで、違反したらどうなるの?罰金とか?

それが…けっこう重くて、50万円以下の罰金とか、1年以下の懲役とか…

法律違反だから当然なんだけど

50万円?!それは痛い…

やっぱりちゃんとルールを覚えてからじゃないとダメね

そうそう!だから資格を取る時にも、法律の勉強が必須なんだよ

安全に楽しく飛ばすためには、ルールを守ることが一番大切だからね

分かった!じゃあ、その資格はどうやって取るの?

おー、いよいよ本格的になってきたね!

資格の話は長くなるから、別の機会に詳しく説明するよ

お願いします!でも、そらくんちゃんと説明できる?

が、頑張ります…
「ドローン」の登場で、これまで難しかったことを可能にし、いろいろなことが効率的にできるようになりました。ただ、反面リスクもあり、法律等で規制がされています。このページでは、リスクや規制について解説します。
「ドローン」のリスク
ドローンも自動車と同様に衝突などの事故リスクがあります。また、これまで人の目を気にしなかったため無防備な高層階の屋内が映りこんでしまうなど、自動車などとは違ったリスクもあります。
- 飛行機やヘリコプター、鳥などとの接触リスク
- 落下や追突による人身事故・物損事故のリスク
- 事故が起こった際の損害賠償能力の問題
- 山間部や海上などでの墜落時の廃棄物問題
- 重要施設の機密漏洩やテロなど、保安上のリスク
- 盗撮や予期せぬ映り込みなど、プライバシー侵害のリスク
- 電波法など、各種法律に違反してしまうリスク
「ドローン」の規制
「ドローン」のリスクに対しては、規制によって軽減しようとしています。どんな規制が行われているのか、下記のように3点に分けてみていきます。
- 飛ばす場所
- 飛ばす機体
- 飛ばし方と飛ばす人
1.飛ばす場所
自動車では、公道は道路交通法の規制が行われています。「ドローン」では、屋外はすべての場所で航空法の規制対象になります。道路交通法では私有地は対象外となりますが、航空法では自宅の庭などの私有地でも規制の対象となるので、注意が必要です。
屋外でも、下記のようなリスクの高い場所では原則飛行が禁止されていて、飛行させるには航空局などの許可が必要になります。許可には資格や機体など、いろいろな条件があり、事前に申請し承認を得た場合のみ、飛行が可能となります。


- 地表又は水面から150メートル以上の高さの空域
- 空港等の周辺
- 人口集中地域の上空
- 災害時などの緊急用務区域
- 国会議事堂や防衛施設、原発など重要施設周辺
一方で、自宅の室内や体育館など、屋内については航空法の規制対象外となります。そのため、上記の飛行禁止区域でも飛行することが可能です。
2.飛ばす機体
自動車と同様、「ドローン」も重量100g以上のものであれば国の登録を受ける必要があります。登録を受けるには、型式や製造番号などの機体情報、所有者と使用者の情報の申請が必要です。
登録が許可されると「登録記号」が通知されますので、こちらも自動車と同様機体に張り付けするなどして表示する必要があります。また、自動車と違い、遠隔から電波で確認できるように「リモートID」機能を使用して機体識別情報を発信する必要があります。
登録は3年間有効で、有効期限が切れる前に更新が必要です。
製造者がリコールしていたり、表面に突起物があったりするなど、安全に不安があるような機体は、登録を受けられないこともあります。
また、機体の登録とは別に、安全性のより高い機体は認証を受けることができます。第一種と第二種があり、第一種のほうがよりレベルの高い認証になります。それぞれ認証に有効期限があり、第一種は1年、第二種は3年です。
3.飛ばし方と飛ばす人
「ドローン」は、飛ばし方と周囲の環境によって難易度とリスクが変わります。そのため、飛行方法に合わせて申請と操縦者の資格も連動して変わり、現状は「一等技能証明」と「二等技能証明」という2つの資格があり、国から認証を受けることができます。この資格は、自動車の運転免許と同様有効期限があり、更新が必要です。
まとめ
「ドローン」のリスクに対しては、飛行場所、機体、操縦者それぞれに対して規制を行うことで、リスクを軽減する対策を行っていることを解説しました。
| 自動車 | ドローン | ||
|---|---|---|---|
| 場所 | 規制対象 | 公道すべて | 屋外の上空すべて(私有地含む) |
| 規制対象外 | 私有地 | 屋内 | |
| 利用できる場所 | 種類により限定 | 重要施設周辺以外。また空港周辺や緊急用務区域と人口密集地上空以外で、地表や水面150mまでの高さ | |
| 機体 | 認証制度 | 自動車検査登録制度 | 無人航空機の登録制度(令和4年6月20日から義務化) |
| 認識票など | ナンバープレート | 登録記号の表示とリモートIDの搭載 | |
| 検査など | 車検 | 1年(一種)又は3年(二種)ごとの更新登録 | |
| 保険 | 強制保険と任意保険 | すべて任意保険 | |
| 操縦者 | 教習 | 公安委員会に認められた指定自動車教習所 | 国の登録を受けた「登録講習機関」 |
| 証明など | 運転免許証 | 技能証明(一等、二等無人航空機操縦士) | |
| 管轄等 | 管轄省庁 | 国交省 | 国交省航空局、警察庁 |
| 法律 | 道交法など | 航空法、小型無人機等飛行禁止法、電波法、民法、道交法、河川法など |



