
いろいろ聞いたけど、やっぱりスクールに行って資格とったほうが良さそうね

そらくんが持ってる「二等無人航空機操縦士」って、具体的にどんな資格なの?

国家資格で、正式には「無人航空機操縦者技能証明」って言うんだよ

2022年にできたばかりの新しい制度なんだ

新しい制度なのね

「二等」と「一等」があるって言ってたよね?何が違うの?

一等の方が上級で、「第三者の上空」を飛べるんだよ

二等は基本的に人がいない場所での飛行が前提なんだ

第三者の上空?

通行人の上とかを飛ばせるってこと?

そういうこと!

でも、かなり厳しい条件があるから、簡単にはできないけどね

一等の方が講習時間も長いし、費用も高いんだ

費用ってどのくらい?そらくんの二等はいくらかかったの?

ボクは民間資格を先に取ってから二等を取ったから、トータルで20万円ちょっとかな

直接二等を取ると30万円くらいするよ

民間資格?国家資格の前に別の資格を取ったの?

うん!民間資格を先に取ると、国家資格の講習が「経験者コース」になって、時間も費用も安くなるんだよ。

なるほど、効率的ね!

でも民間資格って意味あるの?

実は、民間資格による申請簡略化は2025年12月で廃止される予定なんだ…

でも国家資格取得の足がかりとしては有効だよ

廃止されちゃうのね

今から始めるなら、最初から国家資格狙いの方がいい?

そうかもね

一等だと50万円から100万円、二等でも25万円から35万円はかかるけど…

結構いい金額だよね

100万円?!

一等って車の免許より高いじゃない!何でそんなに高いの?

講習時間が長いからかな

一等の初学者だと学科18時間、実地50時間…

実地50時間ってすごくない?

50時間!確かにすごいわね

車の教習所でも25時間くらいでしょ?

どんな練習するの?

基本的な操縦から、緊急時の対応、夜間飛行、目視外飛行とか…色々あるんだよ

ボクも二等だけど、実際はまだ…

また「まだ」って言いかけた!

ところで、資格取得の手続きがけっこう面倒なんだよ

いくつものサイトにアカウント作らなきゃいけなくて…

面倒なの?どんなサイト?

「DIPS2.0」っていう国のシステムと、試験申込み用のサイトと、学科試験用のプロメトリックのサイトと…

3つもサイトがあるの?統一してくれればいいのに…

本当にそう思う!

しかも、学科試験に受かった後も、証明書発行の申請とか、技能証明書の交付申請とか、手続きがいっぱいあるんだ

ややこしそう…

全部でどのくらい時間かかるの?

学科試験に受かってから、実際に証明書が届くまで1ヶ月くらいかな

審査に1週間、手数料納付の確認にまた1週間…

1ヶ月も?

車の免許なら即日もらえるのに、なんでそんなに時間かかるの?

新しい制度だから、まだ手続きが効率化されてないのかも…

あと、手数料も別途かかるんだよね

手数料もかかるの?いくら?

学科試験が8,800円、身体検査が5,200円、証明書交付が3,000円で…全部で17,000円くらいかな

身体検査?目視力とかチェックするの?

そうそう!視力とか聴力とかね

書類で済ませるか、会場で受けるか選べるんだけど、会場だと高くなるから、ボクは書類にしたよ

けっこう本格的ね

でも、これだけ厳しいなら、資格を持ってる人は信頼できそう

そうそう!いろはちゃんも、ちゃんとスクールで学ぶことをおすすめするよ

分かった!でも、まずはそらくんが実際に飛ばして、お手本を見せてね

え、えーっと…今度の休みに練習場に行ってみようかな…

「今度」じゃなくて、今度こそお願いします!
自動車の免許では、「オートマ限定」など運転の難易度や運転できる車両による種類があります。ドローンの資格も、飛ばし方や機体によって資格に種類があります。このページでは、資格の種類と取得の仕方などを解説します。
資格の種類
ドローンの資格は、大きく分けて「国家資格」と「民間資格」があります。国家資格は文字通り国が定めた試験に合格すると取得できる資格です。民間資格は、各種認定団体やドローンスクール独自のもの、農業用ドローンなどのメーカーが認定しているものなど、様々なものがあります。
国家資格
国家資格は、「無人航空機操縦者技能証明」という名前で、無人航空機を飛行させるのに必要な知識及び能力を有することを証明する制度となります。資格を取得するには、下記の試験に合格する必要があります。ただし、自動車の教習所と同様に、登録講習機関において無人航空機講習を修了した場合、指定試験機関での実地試験が免除されます。
- 学科試験
- 実地試験
- 身体検査
国家資格には、下記の2種類があり、一等資格は二等資格よりも高度なものとなり、講習の時間や費用等も一等のほうが多くなります。
第三者の上空を立入管理処置をせずに飛行できる資格。カテゴリーⅢに対応。ただし、飛行するカテゴリによって許可申請は必要。
講習時間と費用
<初学者>
学科講習: 18時間以上 実地講習: 50時間以上 費用:50万円~100万円程度
<経験者>
学科講習: 9時間以上 実地講習: 15時間以上 費用:30万円~50万円程度
第三者の上空を立入管理処置を行って飛行する資格。カテゴリーⅡに対応。ただし、飛行するカテゴリによって許可申請は必要。
講習時間
<初学者>
学科講習: 10時間以上 実地講習: 10時間以上 費用:25万円~35万円程度
<経験者>
学科講習: 4時間以上 実地講習: 3時間以上 費用:10万円~20万円程度
また、下記の飛行を行う場合は資格取得時に限定解除が必要です。
- 目視外飛行
- 夜間飛行
- 総重量25㎏以上の機体での飛行
民間資格
民間の認定団体やスクールが独自に行っている資格です。2025年6月現在では、民間資格を証拠として飛行許可申請の簡略化ができますが、2025年12月を目処に廃止される予定です。ただ、国家資格取得の前に民間資格を取得しておくと、国家資格取得時の講習が「経験者」として短縮され、費用が安くなる場合がありますので、うまく利用しましょう。
日本ドローン機構での例
国家資格を初学者として受講した場合
二等無人航空機操縦士:初学者コース(基本+限定変更<目視内+昼間>)
受講費用:¥ 297,000(税込)
民間資格取得後に国家資格を取得した場合
無人航空機操縦士ベーシックコース
受講費用:¥ 73,500(税込)
二等無人航空機操縦士:経験者コース(基本+限定変更<目視内+昼間>)
受講費用:¥ 132,000(税込)
費用合計:¥205,500(税込) ← 国家資格だけを取得した場合より9万円もお得!
※受講費用等、変更されている場合がありますので公式サイトで必ず最新の情報をご確認ください
国家資格取得までの流れ
国家資格は制度が始まってから間もないこともあり、申請や試験の申し込みを行うサイトが分散していて、非常に煩雑な作業が必要になっています。アカウントをいくつかのサイトで作成することが必要なので、注意しましょう。
登録が必要なサイト
ドローン情報基盤システム2.0
技能証明の取得申請、ドローンの登録申請、飛行許可・承認申請、飛行計画の通報・確認等の各種手続きなどを行うサイトです。資格取得後にも利用するサイトですので、登録はしっかりと考えて行いましょう。法人と個人の両方のアカウントが必要な場合は、別のアカウントとして登録をする必要があります。技能証明の取得申請は、個人アカウントで行う必要があります。
無人航空機操縦士試験申込システム
講習の修了後、各種試験の申込や合格証明書の発行を行うサイトです。講習修了後、必要なタイミングでアカウントの取得をしましょう。操作は直感的ではないので、注意点などを確認しながら操作してください。
学科試験の申込サイト。プロメトリック株式会社が運営しています。こちらも必要なタイミングでアカウントを取得してください。
資格取得までの流れ
- Step1技能証明申請者番号の取得
DIPS2.0にて行います。各種個人情報を登録し、本人確認書類と顔写真を提出します。
- Step2講習受講
登録講習機関にて、学科と実地の講習を受講します。実地の試験を直接受験する場合は受講不要です。
- Step3指定試験機関にて受験
学科試験、実地試験(講習修了済みの場合は免除)、身体検査の申し込みを「無人航空機操縦士試験申込システム」で行います。
- Step4学科試験合格後
学科試験の合格したら、数日後に申込システムに「受験結果のお知らせ」というメールが届きます。申込システムにログインし、「試験合格証明書発行申込み」を行う必要があります。申込後、7営業日程度で「試験合格証明書」が発行されますので、ダウンロードしてください。
- Step5技能証明書の交付申請
DIPS2.0にて交付申請を行います。申請後、書類等に不備がないか審査が行われます。結果の連絡まで、毎回なぜか1週間かかりますので、注意して申請してください。申請に不備がなかった場合、「手数料の納付のお知らせ」というメールが届きますので、メールの内容にしたがって納付してください。この確認にも1週間かかります。
- Step6技能証明書の受領
手数料の納付完了のメール到着後、技能証明書が郵送されます。
資格の取得は、上記のような流れで行います。自動車の運転免許と違い、学科試験合格後すぐに証明書が発行されない点に注意しましょう。申請に問題がなくても、手順を踏むだけで数週間かかります。学科試験合格後、だいたい1か月後くらいに証明書が届くつもりでスケジューリングしましょう。
国家資格取得までに必要な費用
国家資格の取得には申請や試験が必要ですが、その際に費用が必要なものもあります。こちらは講習機関と違い、一律の料金となります。
試験と申請に必要な費用
| 試験や申請の種類 | 種別や等級 | 費用 |
| 学科試験 | 一等 | 9,900円 |
| 二等 | 8,800円 | |
| 実地試験 | 一等(基本) | 22,200円 |
| 一等(限定変更) | 20,800円 | |
| 二等(基本) | 20,400円 | |
| 二等(限定変更) | 19,800円 | |
| 身体検査 | 書類での受験 | 5,200円 |
| 会場での受験 | 19,900円 | |
| 証明書交付手数料 | 新規 | 3,000円 |
講習を受講して実地試験免除、身体検査を書類で行った場合の費用は、
学科試験8,800円+身体検査5,200円+証明書交付手数料3,000円=17,000円
となります。
まとめ
今回は資格の詳細について解説しました。新しい制度のため、自動車の免許に比べるとかなり複雑で面倒な手続きがあります。新しい制度のため、都度申請方法などは変更される可能性があるため、最新の情報を管轄の省庁で確認して、効率よく資格の取得をしましょう。



