日本国内のドローン市場では、依然として海外メーカー製の機体が非常に高いシェアを占めています。特に中国メーカーの存在感は圧倒的で、空撮・産業用・測量・点検など、幅広い分野で利用されています。しかし、こうした“外国製依存”は、平時には利便性とコスト面のメリットがある一方、有事の際には大きなリスク要因となり得ることが指摘されています。
本記事では、「外国製ドローンが占める市場」で日本が抱える潜在的リスクを、一般ユーザー向けにわかりやすく整理します。
1.ファームウェア更新の停止・機能制限リスク
有事や外交関係の悪化が発生した際、「メーカー側の判断でアップデート・サービス提供が停止される」可能性があります。
- 機体の飛行制御の安全性が落ちる
- 重要な不具合の修正が受けられない
- ジオフェンスの更新が止まり、飛行可能エリアに影響
- アプリやクラウドサービスへのアクセス停止
特に、クラウド連携が前提となっているメーカーの機体では、サービス継続性が運用の生命線。国家間の緊張が高まれば、突然の利用制限が発生するリスクはゼロではありません。
2.コマンド停止・遠隔操作リスク(理論上の懸念)
一部の国では、サイバーセキュリティの観点から「外国製ドローンが意図しない挙動をする可能性」が懸念されています。
これは“実際に起きた事例”ではなく、あくまで理論的なリスクですが、
- 特定地域で突然飛行不可になる
- ファームウェアに仕込まれたコードが機能する
- 遠隔から機体が停止・制限される
といったシナリオが議論されています。
国家安全保障の観点から、米国やEUで外国製ドローンの利用を制限する動きがあるのも、こうしたリスクの回避が理由のひとつです。
3.データ送信・情報漏えいリスク
ドローンは以下の“重要データ”を扱うデバイスです
- 位置情報(GPS)
- 撮影データ(写真・動画)
- 飛行ログ
- 操縦者情報
- 施設の構造や設備情報
もしクラウドに保存・同期される仕組みになっている場合、国際情勢によってはデータの扱いが不透明になる可能性があります。
特に、国家が企業データへのアクセス権を持つ法制度を採用している国のメーカーの場合、その国との関係悪化時にデータ管理の不確実性が増します。
4.故障時のサポート・部品供給の停止
物流や経済制裁の影響によって、
- 交換部品の入手不能
- 修理受付の停止
- バッテリー供給の途絶
- メーカーの日本法人・代理店の縮小
といった障害が発生する可能性があります。
特に産業用途では、“部品が届かない=業務が止まる”という致命的な影響が出ます。
5.公的機関での利用制限による事業への影響
世界ではすでに、公的機関が外国製ドローンの使用を制限する例が増えています。
- 米国(連邦政府機関での中国製ドローン利用制限)
- オーストラリア(セキュリティ審査の厳格化)
- EU(リスクベースの導入審査)
これらの動きが日本にも波及すれば、
- 国・自治体の案件で使用できない
- 契約要件に「国産・安全認証機体のみ」などが追加
- 一部の産業で機種の乗り換えが必須
といった事態も考えられます。
6.サプライチェーン断絶による長期的依存リスク
もし主要な外国メーカーへの依存が続くと、日本の産業も同時にそのサプライチェーンに組み込まれます。
有事の際には、
- 機体調達の入口が完全に閉じる
- 周辺アクセサリーも入手不可
- 国内の小規模事業者ほどダメージが大きい
という構造的リスクが発生します。
中長期的には、国内メーカーの開発力・競争力を弱める副作用も懸念されます。
まとめ:外国製依存は便利だが「冗長性」が必要
外国製ドローンは性能も高く、コスト面でも魅力があります。しかし、有事や外交関係の変化という観点で見ると、
- データ管理
- ファームウェア更新
- 部品供給
- サービス継続性
のいずれも海外メーカーの判断に強く依存しているため、日本側ではコントロールできない領域が大きいのが実情です。
今後は、
- 国産機の選択肢を増やす
- 複数メーカーを併用する
- データの保存先・運用ポリシーを見直す
といった“リスク分散”がより重要になるでしょう。

